WEEKLY OUTLOOK ・ 2026.10.11
7万円に一度届いたが、14日の米CPIが前提を決める
週間金融市場展望と投資戦略
3 POINTS
まず、ここだけ押さえる
- 01
日経平均の想定レンジは6万8100~7万800円。12日が祝日休場で4営業日の週です。
- 02
値動きが集中するのは10月14日(水)。米CPIと5年債入札とASML決算が重なります。
- 03
4営業日と短く、海外の半導体決算で前提が変わる週。業種の入れ替わりを見ます。
数字だけを、先に確認
KEY LEVELS
判断に使う水準
この記事の目次
01
今週の焦点
前週の日経平均株価は前週末比721円46銭高の6万9030円92銭で引け、4週連続の上昇です。6日に737円12銭高の7万683円98銭と7月1日以来約3カ月ぶりに7万円台を回復し、ザラ場では7万798円62銭まで上げました。しかし7日から3日続落し、9日は朝方に900円近い下げとなる場面もありました。週足は上ヒゲの長い十字線で、7万円に一度届いたあと押し戻された週です。
ただ中身は弱くありません。9日の東証プライムは値上がり1194銘柄、値下がり331銘柄で、TOPIXは13.35ポイント高の4104.81でした。それでも日経平均が11円19銭安だったのは、ファーストリテイリングとソフトバンクグループを含むマイナス寄与上位5銘柄で約547円の押し下げがあったためです。指数の重さと銘柄の広がりが逆を向いています。このずれを埋めるか広げるかは、14日の米消費者物価指数と、同日のASMLホールディングス、15日の台湾積体電路製造(TSMC)の決算が決めます。
02
日本株:7万円に再挑戦、想定レンジは6万8100~7万800円
想定レンジは6万8100~7万800円とみます。下限は9日の安値6万8150円02銭のすぐ下で、25日移動平均線の上方1標準偏差6万8423円45銭がその上にあります。上限は6日につけた週高値7万798円62銭です。6月22日の史上最高値7万2831円73銭までは2000円近い距離が残ります。
12日はスポーツの日で東京市場は休場、取引は13日から16日の4営業日です。9日のシカゴ日経225先物は6万9085円で、大阪取引所の終値を385円下回りました。13日の寄り付きはこの差から始まります。6日移動平均線は6万9508円17銭で、終値はその下にあります。9日の売買代金は7兆8454億円で、8兆円台には届きませんでした。東証グロース市場250指数は11.87ポイント高の806.62と3日ぶりに反発しています。
国内の材料は政治と小売の決算です。13日と14日の衆院予算委員会で高市首相の基本的質疑が行われ、13日に9月の国内企業物価指数が出ます。半導体主力の決算は10月下旬からで今週はなく、13日のイオン、14日の良品計画、15日の高島屋が国内の数字の軸です。
03
米国株:ナスダックが最高値圏、NYダウは5万1000~5万3000ドル
NYダウで5万1000~5万3000ドルを想定します。9日は前日比423ドル31セント高の5万1654ドル95セント、S&P500種は46.18ポイント高の7811.54、ナスダック総合指数は172.82ポイント高の2万7366.16で引けました。米10年債利回りは0.011%高い5.242%です。下限と上限はいずれも千ドル刻みの大台です。
週間ではダウが478ドル、ナスダックが175ポイント上げました。7日に米10年債利回りが5.36%と2002年以来の水準をつけたあと、8日にトランプ大統領が中間選挙までイランを攻撃しないと述べ、金利は5.2%台へ戻りました。13日のJPモルガン・チェースから7―9月期決算が始まり、14日に米CPI、15日に小売売上高と生産者物価が続きます。17日からFRBは金融政策に関する発言を控えるブラックアウト期間に入ります。VIX指数は0.57ポイント低い14.84で、警戒は乏しい水準です。
04
為替:160円が防衛ライン、ドル円は157円00銭~160円00銭
想定は157円00銭~160円00銭です。9日のドル円は高値158円43銭、安値157円76銭、終値158円31銭でした。始値は157円88銭で、週を通じて157円台後半から158円台前半の狭い幅でした。下限は9日の安値を割った先、上限は160円の節目です。
焦点は14日の米CPIです。市場予想は前年比3.6%で8月の3.4%から加速し、コア指数も2.5%へ上がる見通しです。上振れすれば米金利が上がり160円に近づきますが、160円は介入警戒の水準で、接近する日は急な円高に振れます。日銀は追加利上げに慎重との見方が残っており、16日の植田総裁の挨拶は内田副総裁が代読します。投機筋の円売り越しは増えています。
05
長期金利:14日の5年債入札が試す、新発10年債は2.95~3.15%
想定は2.95~3.15%です。9日の新発10年物国債利回りは0.070%低い3.010%、20年債は3.867%、5年債は2.332%でした。2年債は1.898%です。下限は3%の大台の下、上限は7日につけた3.094%の上です。
供給は14日の5年利付国債2兆5000億円程度だけで、米国の入札はありません。12日は米債券市場がコロンブスデーで休場です。5年債は7日の2.393%から下げており、入札で買い手が細れば金利は戻ります。米10年債は5.24%、30年債は5.62%で、日米の差は開いたままです。
06
原油・金:イラン攻撃見送りで上げ一服、金は4216ドル
WTI原油先物の9日の清算値は前日比0.36ドル高の1バレル91.85ドルでした。8日にイラン再攻撃の検討が伝わって強含んだあと、中間選挙まで攻撃しないとの発言で上げが止まりました。週間では74セント高で、前週にG7が決めた1億バレルの備蓄放出の影響は一巡しつつあります。13日のOPEC月報が次の手掛かりです。
金は59.3ドル高の1トロイオンス4216ドル30セントと反発しました。米長期金利が5.2%台で高止まりする間は上値が重い一方、ドル高が一服すれば資金は戻ります。
07
今週の主なスケジュール
10月12日(月):スポーツの日で東京市場休場、米債券市場も休場(株式は通常取引)、IMF世銀年次総会が開幕
10月13日(火):衆院予算委員会で高市首相の基本的質疑、9月国内企業物価指数、IMF世界経済見通し、OPEC月報、JPモルガン決算、イオン決算
10月14日(水):米9月CPI、5年利付国債入札(2兆5000億円程度)、中国9月CPI・PPI・貿易収支、米ベージュブック、ASML決算、良品計画決算
10月15日(木):米9月小売売上高、米9月PPI、8月機械受注、TSMC決算、G20財務相・中央銀行総裁会議、高島屋決算
10月16日(金):米9月鉱工業生産、植田日銀総裁の挨拶(内田副総裁代読)、ウォーシュFRB議長とゲオルギエバIMF専務理事の対談
08
今週の投資戦略
1つ目は、電気機器、サービス業、海運業の3業種に注目することです。電気機器はアドバンテストとレーザーテックです。9日はプラス寄与上位5銘柄が日経平均を約385円押し上げ、中心はアドバンテストと東京エレクトロンでした。アドバンテストは最高値圏です。14日のASMLと15日のTSMCの決算が、この流れが続くかどうかを決めます。サービス業はリクルートホールディングスです。業種別の上昇率は8日が2位、9日も3位です。リクルートは8日のプラス寄与の首位でした。海運業は日本郵船です。8日と9日は2日続けて業種別の上昇率で首位でした。13日の寄り付きは3連休明けのため、9日のシカゴ先物6万9085円との差から見ます。
2つ目は、銀行業、非鉄金属、小売業の3業種に注意することです。銀行業は山口フィナンシャルグループと四国銀行です。9日は業種別の下落率で首位で、8日は値下がり率上位10のうち6つを地方銀行が占め、四国銀行が首位でした。10年債が7日の3.094%から3.010%へ、20年債が3.967%から3.867%へ下げたためです。保有する国債の評価と貸出の利ざやで、金利に敏感なのは地方銀行です。14日の5年債入札で2.332%が戻らなければ、この重さは続きます。非鉄金属はフジクラです。8日の下落率首位、9日も2位で、フジクラも値を下げました。AI需要が前提のため、ASMLとTSMCの決算が外れると崩れます。小売業はファーストリテイリングです。27年8月期の見通しが市場予想に届かず、9日のマイナス寄与の首位でした。プライムの7割超が上昇したのに日経平均は小幅安で、指数と中身のずれが残っています。
3つ目は、為替、長期金利、原油に気を付けることです。ドル円は158円31銭で、160円が介入警戒の節目です。14日の米CPIが予想の3.6%を上回り160円に近づく日は、急な円高への振れで自動車などの輸出株が下がりやすくなります。長期金利は14日の5年債入札が山場です。金利が戻れば銀行業に追い風、不動産業に逆風です。原油はWTI91ドル85セントで、中間選挙まではイランを攻撃しないとの発言が上値を抑えます。13日のOPEC月報で供給の見通しが緩めば、石油・石炭製品には逆風です。
(本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。)
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2つ目は、銀行業、非鉄金属、小売業の3業種に注意することです。
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3つ目は、為替、長期金利、原油に気を付けることです。
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(本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。
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