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週刊にっけいWEEKLY NIKKEI ── みんなでよめる統合版
水木で下げ今週の日経の天気
月曜はアメリカの雇用の数字をきっかけに1,637円高、火曜は3か月ぶりに7万円台で終わりました。でも水曜・木曜は半導体の株が売られて7万円を割り、金曜はほぼ横ばい。週間ではおよそ721円(1.06%)の値上がり
日経平均は、日本を代表する225の会社の株の「クラスの平均点」のようなもの。今週は、アメリカで働く人の数がふえ方が少なかったという発表をきっかけに、月曜に1,637円高。火曜も上がって、7月1日以来、3か月ぶりに7万円台で一日を終えました。ところが水曜は、それまで大きく上がっていた半導体の株を「いったん売っておこう」という人がふえて648円安。木曜は台湾の大きな半導体の会社の売り上げが前の月より少し減ったことなどで994円安となり、7万円を割りこみました。金曜はほとんど動かず11円安。1週間の合計でおよそ721円(1.06%)値上がりしました。もうひとつの物差し「TOPIX」も週間で値上がりしています。
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月アメリカの雇用の数字をきっかけに1,637円高!一時7万円に
ふえ方が予想より少ない
半導体の株に買い
▲1,637円、一時7万円台
火3か月ぶりに7万円台で終わった!多くの業種が上昇
ナスダックが過去最高
30業種が上昇
▲737円、3か月ぶり7万円台
水木半導体の株が売られて2日つづけて値下がり、7万円を割った
上がりすぎていた
前の月より少しへる
▼648円と▼994円、7万円割れ
金11円だけ値下がり。でも7割をこえる株が上がった
900円近い下げ
多くの株が上昇
▼11円、TOPIXは0.33%上昇
7万円や6万円のように、きりのよい大きな数字の目じるしのことです。「7万円の大台にのった」「7万円の大台を割った」のように使います。きりのよい数字は多くの人が気にするので、その上か下かで、気分が大きく変わることがあります。
今週のできごとQ. 金曜日、日経平均は11円下がったのに、東証プライムでは7割をこえる株が上がりました。その理由は?
○×クイズ:正しいと思ったら○、ちがうと思ったら×!
金曜日、日経平均は11円下がったのに、TOPIXは0.33%上がった。同じ日なのに、どうして向きがちがったの?
ここから先は漢字がふえるよ(むずかしい漢字にはふりがな付き)
7万円の大台に乗って、また割った1週間
半導体を動かした「2つの数字」
ここから漢字が増えます(難読語・専門用語にはふりがな)。同じ1週間を、一段深いところから見直します。
今週の日経平均は、半導体関連の株の動きでほぼ説明できる1週間でした。上げのきっかけは、前週末に出た米国の9月の雇用統計です。非農業部門の雇用者数は2万9000人増と、予想の8万4000人増を大きく下回りました。景気の過熱がおさまれば、米国の利上げは続かないかもしれない――そう受け止められ、半導体株に資金が集まりました。月曜の上げ1,637円のうち、アドバンテスト(約360円分)、東京エレクトロン(約336円分)など4銘柄だけで1,084円分です。
下げのきっかけになったのは、台湾積体電路製造(TSMC)が8日に発表した9月の売上高でした。前年同月比では54.6%増と大きく伸びた一方、前月比では0.6%減。AI向け半導体の「先高観」に水を差す数字として受け止められました。
?54.6%も増えたのに、なぜ株は下がったの?
株価は「今の成績」よりも「これからの期待」で動きます。日経平均は水曜までの5営業日で5000円以上も水準を切り上げ、その中心にいたのがAI・半導体関連の株でした。先の成長がすでに株価にかなり織り込まれていました。そこへ前月比のマイナスが出たことで、「伸びの勢いが鈍ってきたのでは」という見方が広がったのです。さらに米国の10年物国債の利回りが7日に一時5.36%と2002年4月以来の高さを付けたことも、成長株の重荷になりました。同じ数字でも、市場がそれまでに何を期待していたかによって、受け止め方は変わります。
日経平均のほかに、プロが必ず見る指数(平均点)がもうひとつあります。TOPIX(トピックス)――東証プライムのほぼ全銘柄を、時価総額で重みづけした指数です。今週の成績を比べてみましょう。
週間ではどちらも上昇しましたが、日経平均+1.06%に対してTOPIXは+0.34%と、日経平均の方が3倍ほど大きく上がりました。差がついたのは月曜で、半導体の値がさ株が買われた日経平均+2.40%に対し、TOPIXは+1.33%。ところが金曜は向きが逆になり、日経平均-0.02%に対してTOPIXは+0.33%でした。木曜は両方とも大きく下げ、TOPIXも-1.51%と25日移動平均線を下回っています。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は先週末の約16.70倍から、金曜には約16.82倍へ上がりました。
金曜は、アドバンテストが約146円分、東京エレクトロンが約129円分と、半導体の2銘柄が指数を押し上げました。一方、前日に決算を発表したファーストリテイリングは3020円安の7万1780円まで売られて約244円分、ソフトバンクグループも約192円分を押し下げています。33業種のうち25業種が上昇し、東証プライムの値上がりは1194銘柄、値下がりは331銘柄。「日経平均の小幅安」と「市場全体の上昇」が同時に起きた日でした。
雇用統計(こようとうけい)
米国で働く人の数や失業率などをまとめた統計。原則として毎月第1金曜日に発表され、景気や金利の行方を占う材料として世界中が注目する。今週は9月分の雇用者数の伸びが予想を大きく下回り、利上げ観測の後退につながった。
SQ(エスキュー・特別清算指数)
株価指数の先物やオプションの取引を最終的に精算するための特別な値段。毎月第2金曜日に算出され、その日に向けて売買が膨らむことがある。今週は9日がオプションの算出日で、10月物のSQは6万8465円23銭だった。
Q. 金曜日、日経平均は下がったのに、TOPIXは上がった。この理由を50字くらいで説明してみよう。
今週は日経平均とTOPIXが同じ向きに動いた日が多かった。それでも差が開いた日と縮んだ日がある。2本の線を重ねると、何が見える?
データとグラフで読む、いちばん深いフロアです
指数の構造 ── 値がさ株が生んだ「上げ」と「逆向き」
最終フロア。2本の指数を重ねて描き、乖離が生まれるしくみと、正解のない問いまで。学術・実務レベルの用語にはふりがなを付けています。
月曜は日経平均が102.4、TOPIXが101.3と、値がさの半導体株が買われた分だけ日経平均が先行しました。火曜は両指数とも上昇し(103.5と102.3)、差は約1.2ポイントで今週最大に。水曜・木曜はそろって下げ、木曜にはTOPIXが100.0とほぼ先週末の水準まで戻りました(日経平均は101.1)。金曜は日経平均が101.1で横ばい、TOPIXは100.3へ上昇し、差は約0.7ポイントまで縮んで週を終えています。
株価平均型(225銘柄)
構成銘柄の株価を(調整のうえ)平均する。1株の値段が高い「値がさ株」の影響が大きい。月曜はアドバンテスト(約360円分)、東京エレクトロン(約336円分)、ファーストリテイリング(約236円分)、ソフトバンクグループ(約151円分)の4銘柄で1,084円を押し上げた。金曜は逆に、ファーストリテイリング(約244円分)とソフトバンクグループ(約192円分)の下げが指数を押し下げた。時価総額加重型(プライム全銘柄ベース)
会社の規模(時価総額)で重みづけして平均する。市場全体のお金の動きに近い。月曜は値上がりがプライムの56%にとどまり+1.33%。金曜は値上がり1194・値下がり331と7割超が上昇し、+0.33%と日経平均(-0.02%)を上回った。プロは両指数を見比べて、動きが一部に偏っているのか市場全体に広がっているのかを診断する。今週は月曜が「偏った上げ」、火曜(33業種中30業種が上昇)が「広がった上げ」、金曜が「指数だけの下げ」の典型例だった。同じ値がさ株が、ある日は指数を持ち上げ、別の日は押し下げている点にも注目したい。
前回号(9/28〜10/2)では、「2日に発表された米雇用統計を受けて米長期金利がどう動くか、原油価格(フランスの備蓄放出案)の行方、そして日経平均が金曜の高値6万8741円を上回れるか」に注目としていました。結果は、9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が2万9000人増と予想(8万4000人増)を大きく下回り、失業率は4.2%へ上昇、7月と8月分も合わせて6万人下方修正されました。これで10月と12月の連続利上げという見方が後退しました。ただ米10年物国債の利回りは下がり続けたわけではなく、5日に5.307%、7日には一時5.36%と2002年4月以来の高さを付け、8日は5.22%でした。原油は、主要7カ国(G7)が1億バレルの石油備蓄の緊急放出を決め、WTI先物は2日に日中88.06ドルまで下落。その後は88〜91ドル前後で推移しました。日経平均は5日の寄り付きから6万9113円と前週末の高値を上回り、取引時間中には7万円を回復しています。
Q1金曜、日経平均は-0.02%、TOPIXは+0.33%と逆方向に動いた。一方、月曜はどちらも上がったが、日経平均(+2.40%)がTOPIX(+1.33%)を大きく上回った。この2日の違いを、「値がさ株」「時価総額加重型」「寄与度」という語を使って150字程度で説明せよ。
Q2火曜は長期金利の上昇が「利ざや改善」として歓迎され、銀行業は1.96%高だった。ところが水曜は、長期金利が3.105%と同水準なのに銀行業は下落率の首位だった。同じ「金利」という材料が、日によって銀行株に違う効き方をするのはなぜか、根拠とともに述べよ(正解はない)。
本紙の「因果の鎖」も理解のための整理であり、実際の相場は無数の要因が同時に働いた結果だ。今週の米雇用統計をきっかけにした急伸から、3か月ぶりの7万円台、半導体株への利益確定売り、TSMCの月次売上高を受けた7万円割れ、そして指数と市場全体が逆向きになった金曜までを一本の筋で語ることはできても、そこには米国の利上げ観測と長期金利・国内の長期金利・海外の半導体株・企業の決算・為替の変動・先物とオプションの売買という要因が複雑に絡み合っており、事後にすらすべてを説明することはできない。「もっともらしい一つの物語」を疑う姿勢そのものが、市場リテラシーの核心である。市場に単一の説明はない。
最深部まで読破!
今週きみが手に入れたもの:大台/雇用統計/SQ(特別清算指数)。
来週は3連休明けの13日から。13日の米大手銀行の決算、14日の米9月の消費者物価指数、15日のTSMCの決算に注目。日経平均が金曜の高値6万9143円を上回って始まれるかも見どころです。答え合わせは次号で。
上げ・下げ・停滞。
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