きみは今日、どのフロアから読む?
どこから入っても、各フロアの最初に「1分おさらい」があるよ
週刊にっけいWEEKLY NIKKEI ── みんなでよめる統合版
金曜もくもり今週の日経の天気
月曜と火曜は、AIの会社のお金の心配で値下がり。水曜は3日ぶりに上がったものの、木曜は1,713円安と大きく下がり、金曜も少し下げました。週間ではおよそ2,631円(4.03%)の値下がり
日経平均は、日本を代表する225の会社の株の「クラスの平均点」のようなもの。今週は、アメリカで「AIのための大きな投資を、借りたお金で進めている会社は大丈夫かな?」という心配が広がり、半導体の株が何度も売られました。月曜日は407円安、火曜日は841円安。水曜日は売られすぎた株が買いもどされて545円高となりましたが、木曜日はアメリカの半導体の機械の会社の決算をきっかけに1,713円安。金曜日も214円安で、終わりの値段は約3カ月ぶりの安さになりました。1週間の合計ではおよそ2,631円(4.03%)値下がりしました。もうひとつの物差し「TOPIX」も週間で値下がりしましたが、下がり方は日経平均より小さめでした。
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💡 前の日より上がった日はあか、下がった日はあおのまるだよ。
月朝は1,492円安。午後にもどして407円安
半導体の株が下がる
午後に買いがもどる
▼407円、TOPIXは上昇
火AIの会社の「借金」が心配で841円安
お金のやりくりが心配に
かかわる株が売られる
▼841円で2日つづけて下落
水売られすぎた株が買いもどされて545円高
原油も一休み
株を買いもどす
▲545円、3日ぶりに上昇
木半導体の機械の会社の決算で1,713円安
見通しに心配が出る
機械や材料の株が売られる
▼1,713円、3カ月ぶりの安さ
金朝は1,400円をこえる下げ。でも最後は214円安
半導体の株が大きく下がる
長い目の平均で止まる
▼214円、3日ぶりの続落
外国のお金にくらべて、日本の円の値打ちが上がることです。たとえば1ドルを買うのに158円かかっていたのが157円ですむようになったら、円の力が強くなったので「円高」。反対は「円安」です。円高になると、外国に物を売る会社(自動車など)は、もうけが小さくなりやすいといわれます。
今週のできごとQ. 金曜日、日経平均は下がったけれど、33業種の中でいちばん大きく上がった業種があったよ。それはどれ?
○×クイズ:正しいと思ったら○、ちがうと思ったら×!
木曜日、日経平均は2.65%も下がったのに、TOPIXは1.14%の下げですんだ。同じ日なのに、どうしてこんなに差がついたの?
ここから先は漢字がふえるよ(むずかしい漢字にはふりがな付き)
AI投資の「借金」への不安と半導体決算
3カ月ぶりの安値までの5日間
ここから漢字が増えます(難読語・専門用語にはふりがな)。同じ1週間を、一段深いところから見直します。
今週の下げの中心には、先週から続く一つの不安がありました。AI向けのデータセンターなどへの巨額の投資を、借り入れで支えている企業の信用は大丈夫か、という不安です。前週末16日の米国では、SOX指数(米国の主な半導体株の指数)が3.83%下げて8日続落。月曜の東京は朝方に1,492円安まで売られました。火曜には、米国のAIデータセンター企業コアウィーブを巡る債務不履行保険の取引が急増したと伝わり、韓国の総合株価指数も一時4.5%超下げました。ソフトバンクグループ1銘柄で日経平均を235円押し下げています。
水曜は、前夜の米国でダウ平均が529ドル高と大きく反発し、SOX指数も8営業日続いた下落を前日に止めていたことから、売られていたAI・半導体株に買い戻しが入りました。ただ、朝方の1,300円超の上げは午後に半分ほどへ縮み、売買代金は3営業日続けて7兆円を下回りました。戻りを支える資金が細い中で、木曜の材料を迎えることになります。
?ラムリサーチは予想を上回る決算だったのに、なぜ売られたの?
米国の半導体製造装置大手ラムリサーチが21日の取引終了後に発表した決算は、売上高・利益とも市場予想を上回りました。それでも、同社が示した今後の見通しの幅が広く、下振れを警戒した売りで株価は時間外取引で7%を超えて下げました。先週のTSMC(過去最高の決算でも日本株の反応は限定的)と同じく、市場は「今の成績」よりも「この先の投資がどこまで続くか」を見ています。翌23日の米国市場でもSOX指数は6.72%下げ、AI関連企業の資金調達コストへの懸念が続きました。
日経平均のほかに、プロが必ず見る指数(平均点)がもうひとつあります。TOPIX(トピックス)――東証プライムのほぼ全銘柄を、時価総額で重みづけした指数です。今週の成績を比べてみましょう。
週間ではどちらも下落しましたが、日経平均-4.03%に対してTOPIXは-2.46%で、日経平均の下げのほうが大きくなりました。差が最も開いたのは木曜で、日経平均-2.65%に対してTOPIXは-1.14%。月曜は日経平均-0.62%に対してTOPIXは+0.04%と、向きまで逆でした。一方で、火曜(日経平均-1.30%、TOPIX-1.43%)と金曜(日経平均-0.34%、TOPIX-0.79%)は、TOPIXのほうが大きく下げています。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は先週末の約16.07倍から、金曜には約15.81倍へ下がりました。
木曜の押し下げ上位はアドバンテスト(446円60銭)、東京エレクトロン(359円02銭)、ソフトバンクグループ(256円47銭)。下げの出発点は半導体でしたが、大きく崩れたのは材料と部材で、非鉄金属が5.35%安と下落率首位、化学のレゾナック・ホールディングスは11.2%安でした。それでも33業種のうち13業種は上昇し、鉱業が2.56%高。PHPの重大な脆弱性が見つかり、トレンドマイクロが8.7%高と、セキュリティ関連に資金が向かいました。ドル円は1日で94銭の円高となる157円15銭で、10月の安値を更新しています。
債務不履行保険(さいむふりこうほけん)
お金を貸した相手が返せなくなったときに備える、保険のような取引(専門的にはCDSと呼ぶ)。この取引が急に増えるのは、「返せなくなるかもしれない」と心配する人が増えたサイン。今週は火曜に、米AIデータセンター企業を巡る取引の急増が伝わり、AI関連株の売りにつながった。
200日移動平均線(にひゃくにちいどうへいきんせん)
過去200営業日の終値の平均を毎日つないだ線。長い目で見た「ふつうの値段」の目安として使われ、下げ止まりの目安と見る人も多い。今週は金曜に日経平均が6万1462円まで下げたが、200日移動平均線(6万1465円)の近くで下げが止まった。
Q. 木曜日、日経平均は2.65%下がったのに、TOPIXの下げは1.14%にとどまった。この理由を50字くらいで説明してみよう。
今週は5日のうち4日が値下がり。2本の線を重ねると、日経平均とTOPIXの差はどこで開いた?
データとグラフで読む、いちばん深いフロアです
指数の構造 ── 半導体株が広げた「2ポイントの乖離」
最終フロア。2本の指数を重ねて描き、乖離が生まれるしくみと、正解のない問いまで。学術・実務レベルの用語にはふりがなを付けています。
月曜は日経平均が99.4へ下げた一方、TOPIXは100.0と先週末をわずかに上回り、2本の線は逆方向に分かれました。火曜はそろって下げ(98.1と98.6)、水曜はそろって戻しました(98.9と99.5)。木曜は日経平均だけが大きく沈み、96.3と98.3で差は約2.0ポイントと今週最大に。金曜はTOPIXの下げが大きく、日経平均96.0、TOPIX97.5で差を少し縮めて週を終えています。
株価平均型(225銘柄)
構成銘柄の株価を(調整のうえ)平均する。1株の値段が高い「値がさ株」の影響が大きい。月曜は東京エレクトロン1銘柄で約142円と、下げ幅407円の3分の1。木曜はアドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄で約805円を押し下げた。逆に金曜はファーストリテイリング1銘柄で約95円を押し上げた。時価総額加重型(プライム全銘柄ベース)
会社の規模(時価総額)で重みづけして平均する。市場全体のお金の動きに近い。火曜は値下がりが1177銘柄(全体の76.0%)に広がり、-1.43%と日経平均(-1.30%)より大きく下げた。金曜も33業種中25業種が下落し、銀行業(-2.28%)など時価総額の大きい業種の下げで-0.79%となった。プロは両指数を見比べて、動きが一部に偏っているのか市場全体に広がっているのかを診断する。今週は月曜と木曜(13業種が上昇)が「値がさの半導体株に偏った下げ」、火曜と金曜が「指数以上に中身が広がった下げ」の典型例だった。NT倍率が1週間で約0.26倍下がったことは、値がさの半導体株から資金が離れたことを示している。
前回号(10/13〜10/16)では、「米国で大型テック企業の決算が始まり、月末にかけて日米の中央銀行の会合が重なる。週明けに売買代金が8兆円台へ戻り、電気機器が2日続けて上がるか、日経平均が6万5500円台を取りもどせるか」に注目としていました。結果は、米国の決算は20日のネットフリックスと3M、21日のメタ・プラットフォームズやラムリサーチなどへと進み、ラムリサーチの見通しが22日の大幅安のきっかけになりました(メタの決算の中身は出典記事に詳しい記載がありません)。日米の中央銀行の会合は来週(27〜28日のFOMC、30日の日銀の金融政策決定会合)で、まだこれからです。売買代金は月曜が6兆7835億円と8兆円台には戻らず、8兆円台に乗ったのは金曜(8兆9383億円)でした。電気機器は月曜に0.69%安で、2日続けての上昇にはなりませんでした。日経平均は水曜に高値6万5404円まで戻しましたが、6万5500円台には届きませんでした。
Q1火曜は日経平均-1.30%に対してTOPIX-1.43%と、TOPIXのほうが大きく下げた。一方、木曜は日経平均-2.65%に対してTOPIX-1.14%と、日経平均の下げが2倍を超えた。この2日の違いを、「値がさ株」「時価総額加重型」「寄与度」という語を使って150字程度で説明せよ。
Q2金曜、国内の長期金利(10年物国債の利回り)は2.789%と2カ月半ぶりに2.8%を割った。この日、不動産業は2.05%高で上昇率首位、銀行業は2.28%安で下落率首位だった。ところが水曜は、長期金利がほぼ動かない中で銀行業が上昇率の上位に入っていた。銀行株の動きを決めるのは金利だけなのか、根拠とともに述べよ(正解はない)。
本紙の「因果の鎖」も理解のための整理であり、実際の相場は無数の要因が同時に働いた結果だ。今週のAI関連企業の債務への不安による下げから、買い戻しによる反発、ラムリサーチの見通しをきっかけにした大幅安、そして200日移動平均線近くでの下げ止まりまでを一本の筋で語ることはできても、そこには米国の半導体株と企業決算・AI投資の資金調達・米国の長期金利・国内の長期金利・為替の円高・中東情勢と原油・ソフトウェアの脆弱性・先物の売買という要因が複雑に絡み合っており、事後にすらすべてを説明することはできない。「もっともらしい一つの物語」を疑う姿勢そのものが、市場リテラシーの核心である。市場に単一の説明はない。
最深部まで読破!
今週きみが手に入れたもの:円高/債務不履行保険/200日移動平均線。
来週は27〜28日に米国のFOMC、29日に米国の7〜9月期GDP速報値と9月の個人消費支出価格指数、同じ週にアルファベット・マイクロソフト・アマゾンの決算、30日には日銀の金融政策決定会合と、大きな材料が重なります。週明け26日に日経平均が金曜の安値6万1462円を下回らずに始まれるか、2.8%を割った長期金利がどう動くかが見どころです。答え合わせは次号で。
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