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景気敏感株とディフェンシブ株ってなに?

景気敏感株とディフェンシブ株ってなに?

投資をするにあたってどの業種に投資するかは非常に大事なことです。ここまで日本と米国の業種区分、世界基準と日本の基準の違いなどについてみてきました。

まだの方はこちらを参照してください。

業種とはなに?東証33業種

今度は景気に対してどれだけ敏感に反応するかで業種を区分してみたいと思います。なぜこのような区分が必要になるのか?

自分が好きな業種、または専門的な知識を持っている業種に投資するのは最も理想的なことですが、自分が選択した業種が常に調子いいとは限りません。

そこで、市場や経済の状況に合わせて業種を選ぶという考え方もある理解していただきたい!それを理解することはこれからの投資生活にも大きく役に立つことです。ます。この記事ではその投資方法を実現する業種選びについて考えてみることにしましょう。

経済状況に合わせて業種を選ぶとは?

日本市場には33業種区分がありますが、それがすべて同じ動きをするわけではありません。景気が良い、停滞しているなどのように景気が変化することによって異なる反応をする業種があります。その分類が「ディフェンシブ業種」と「景気敏感業種」です。難しそうですが、原理を理解すればそれほど難しいことではありません。それぞれの特徴や魅力について見ていきましょう。

景気敏感業種とは?

景気敏感業種とは、景気の変動に敏感な業種を指し、その業種に属する企業の株式を景気敏感株と呼びます。どんな業種が景気に敏感に反応するのでしょうか?考えたことありますか?わかりやすい例で、自動車を購入する時を考えてみましょう。景気がよいので企業の業績があがり、賃金も上がるとなると自動車の買い替えの時により積極的に購入を検討するでしょう。”ボーナスが増えそうなので、今乗っている車よりワンランク上の車を買ってみようか?”と思うこともあるでしょう。

反対に景気が悪いと給料が上がらなさそうなので、”今の車にもう一年頑張ってもらおうか”のように購入を控えます。このように車や宝石など、生存に関わらないものは景気が下向く時に真っ先に切り詰められる分野です。これが景気敏感業種です。

景気変動によって敏感に影響を受ける業種には、建設業や製造業、小売業、運輸業、不動産業などがあります。また、鉄鋼、非鉄金属、金属製品のようにある産業の基礎素材となる素材系の業種も景気敏感業種に入ります。景気が回復する際は車の完成品を作るトヨタが動く前にその部品が先に動き出すことを考えると、素材系が景気敏感業種に属するというのは納得がいきます。

景気敏感業種が有利な市場とは?

景気敏感株は景気の回復期に株価が上昇する可能性が高くなります。まだ明確に回復してないとしても景気が回復する見通しが立つ時は、景気敏感株を保有することで、景気の回復期には株価が上昇する可能性があります。これは、景気が良くなると需要が増え、企業の収益も増加するため株価が上昇する傾向があるためです。一方、景気の悪化期には景気敏感業種は株価が下落する可能性があります。

これらの企業は、景気変動に大きく影響を受けるため、株式市場において景気の動向に注目される銘柄の一部となっています。簡単にまとめると、「景気が良くなる見通しで、株式市場も調子良くなりつつある。それなら、景気敏感業種に注目」となります。

今度は反対のことも考えてみましょう。景気に敏感に反応する業種があるなら、その反対も存在しそうですね。はい、もちろんあります。それがディフェンシブ業種というものです。次は、景気への反応が鈍いディフェンシブ業種について考えてみましょう。

ディフェンシブ業種とは?

ディフェンシブ業種とは、景気変動に比較的影響を受けにくく、株価が安定しているとされる業種のことです。それに属する企業の株をディフェンシブ株またはディフェンシブ銘柄といいます。具体的には、食品や医療機器、日用品や電力など、必需品や生活に欠かせないものを提供する企業の株式が含まれます。わかりやすく言えば、生存に関わるかどうかということです。景気が悪くなると言ってもご飯は食べないとダメですね。また、体調を崩した時に病院に行かなかったり、薬を飲まないと命にかかわりますね。生活を支える電力やガスにも同じことがいえます。

最後に削られる分野

逆にいうと、ディフェンシブ分野は景気が悪くなる時に最後の最後で削られる業種だと言えます。景気が悪くなり収入が減ると、しばらく我慢しても命に関わらない旅行は削られても、職場に行くための交通費は削られません(旅行が命よりも大事というケースは別ですが)。あまりにも収入が減って交通費まで切り詰めたい時になって、徒歩か自転車出勤をするなど最後の最後で節約の対象になります。

したがって、この「生存に関わる」、「最後に切り詰められる」ことに関わる業種がディフェンシブ業種になります。

ディフェンシブ株の特徴

ディフェンシブ株は、景気変動による株価の変動が少なく、安定した配当や収益を期待できるため、安定的な投資対象として投資家に人気があります。景気の悪化期には、経済活動が減少しても、必需品は消費され続けるため、需要がある程度保たれることが期待できます。そのため、経済の低迷期においても株価の下落が比較的抑えられるとされています。

一方で、景気が好調になった場合には、景気敏感株に比べて株価上昇率がやや低いことがあります。しかし、景気の変動に対して比較的安定した収益が期待できるため、安定した収益性を求める投資家やリスクヘッジを行いたい投資家には魅力的な投資対象となります。

ただし、企業業績によってはディフェンシブ株でも株価の変動が生じることがあります。また、必ずしもすべてのディフェンシブ株が株価の変動に対して耐性を持っているわけではありません。投資家は、企業の業績や業種の特性を総合的に判断して投資を行う必要があります。

景気敏感株とディフェンシブ株を組み合わせる

これらの特徴から、ディフェンシブ株は安定的な投資対象として、景気敏感株はリスクの高い投資対象として扱われます。ただし、必ずしもすべてのディフェンシブ株が株価の変動に対して耐性を持っているわけではありません。また、景気敏感株にも、景気変動にあまり影響を受けない企業や、景気敏感であるが競合力の高い企業も存在します。

投資家は、ディフェンシブ株や景気敏感株を選ぶ際に、自分の投資目的やリスク許容度、株式市場の状況などを考慮して選ぶ必要があります。なお、ディフェンシブ株や景気敏感株を組み合わせることで、投資先のリスクを分散することができます。これを「ポートフォリオ理論」と呼びます。ポートフォリオ理論によれば、投資家は投資先を分散することでリスクを下げ、同時にリターンを最大化することができます。

ディフェンシブと景気敏感の話、楽しかったですか? 投資を面白く学べる記事を探す友達がいたらぜひご紹介ください。他の記事では相場のサイクルに合わせて選ぶべき業種についても触れています。こちらも面白い記事なので、合わせてお読みください。

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