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週刊にっけいWEEKLY NIKKEI ── みんなでよめる統合版
金曜は原油と金利のあらし今週の日経の天気
月曜日、半導体メーカーの増産期待で日経平均は1,379円もの大幅高!しかし金曜日には原油が1バレル100ドルを超え、日米の金利上昇も重なって1,260円の急落。週間ではおよそ1,010円(1.55%)の値下がり
日経平均は、日本を代表する225の会社の株の「クラスの平均点」のようなもの。今週は月曜が半導体大手・米マイクロンの増産検討を材料に1,379円の大幅アップ、火曜は円が急に値上がりして輸出関連が売られ1,131円ダウン、水曜は資源関連が買われつつも126円の小幅ダウン、木曜は半導体の買い戻しで128円アップ、そして金曜は原油高と金利上昇が重なって1,260円もの大幅ダウンと、5日間の合計ではおよそ1,010円(1.55%)値下がりしました。
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月米マイクロンの増産検討報道で半導体株が急伸!日経平均は1,379円高の大幅続伸
メモリー増産を検討
買いが集中
▲1,379円、ただし値下がり銘柄の方が多い
火円が一時152円台まで急伸!輸出関連に売りが出て1,131円安と3日ぶり反落
(日銀の利上げ観測)
値がさ株が売られる
▽1,131円、上昇は33業種中9業種のみ
水銅が史上最高値を更新!非鉄金属が6.88%高も、日経平均は126円の小幅安
原油・銅が値上がり
値がさ株は売られる
▽126円、非鉄金属が33業種の首位
木朝は950円超安も半導体の買い戻しで切り返し、128円高の3営業日ぶり反発
半導体株が買い戻される
銀行高・建設安に二分
▲128円、3営業日ぶり反発
金原油が1バレル100ドル超え!日米の金利上昇も重なり1,260円の大幅安
日米の金利も上昇
値がさ株中心に売られる
▽1,260円、保険・海運は逆行高
日経平均を対象にした先物・オプションという金融商品には、「この日までの値段で最終的に精算します」という決まった日があります。3・6・9・12月にあるこの特別な精算日を「メジャーSQ」と呼びます。
今週のできごとQ. 金曜日、日経平均が1,260円もの大きな下げになったいちばんの理由は?
○×クイズ:正しいと思ったら○、ちがうと思ったら×!
月曜日に日経平均を押し上げたソフトバンクグループやアドバンテストが、金曜日には今度は押し下げの主役になった。同じ会社なのに、なぜ正反対の役をつとめたの?
ここから先は漢字がふえるよ(むずかしい漢字にはふりがな付き)
値がさ株がつくった上げと下げ
同じ顔ぶれが週の両端で主役になった1週間
ここから漢字が増えます(難読語・専門用語にはふりがな)。同じ1週間を、一段深いところから見直します。
今週も、上げ下げの多くの部分をほんの1〜4社がつくっていました。月曜はソフトバンクグループとアドバンテストの2社で約839円の押し上げ(4社では約1,212円、上げ幅の88%)。火曜は東京エレクトロンとアドバンテストの2社で約349円の押し下げ。水曜はアドバンテストとファーストリテイリングで約382円の押し下げ。木曜はアドバンテスト1社で約260円の押し上げ。そして金曜はアドバンテスト・ソフトバンクグループなど4社で約979円の押し下げ――月曜に上げの主役だった顔ぶれが、金曜には下げの主役になっています。
?同じ会社なのに、なぜ役割が正反対になったの?
月曜は「半導体の増産期待」という会社に有利な材料が効きました。金曜は「原油高・金利上昇・メジャーSQ」という会社に不利な材料が重なりました。値がさ株(1株の値段が高い会社)は指数への影響力が大きいぶん、良い材料にも悪い材料にも人一倍大きく反応します。1つの会社が「ずっと強い」「ずっと弱い」わけではなく、その日の材料しだいで役割が変わるのです。
日経平均のほかに、プロが必ず見る指数(平均点)がもうひとつあります。TOPIX(トピックス)――東証プライムのほぼ全銘柄を、時価総額で重みづけした指数です。今週の5日間で、この2つの成績を比べてみましょう。
今週は先週とちがい、TOPIXの方が日経平均よりも大きく下げました。火曜日はプライム全体の74.5%の銘柄が値下がりし、金曜日も63%が値下がりするなど、値がさ株だけでなく市場全体に売りが広がった日が多かったためです。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は先週末の約15.85倍から今週末には約15.89倍へとわずかに上昇。月曜と木曜に半導体の値がさ株がしっかり買い戻されたぶん、日経平均の方が相対的に底堅かったことを示しています。
週の前半と後半で、値がさ株は正反対の役割を演じました。月曜に買われた理由(半導体の需要期待)と、金曜に売られた理由(金利上昇によるコスト増の心配)は別々の材料です。1つの企業グループの株価が1週間のうちに主役と“悪役”を入れ替えることは、めずらしくありません。
NT倍率(えぬてぃーばいりつ)
日経平均をTOPIXで割った数字。値がさ株が強いと上がり、市場全体に売りが広がると下がる傾向がある。今週は先週末の約15.85倍から約15.89倍へわずかに上昇した。
実質金利(じっしつきんり)
銀行預金や国債の金利から、物価の上昇率を差し引いたもの。木曜日、日銀の審議委員が「実質金利がマイナスの状況は早く解消すべきだ」と発言し、利上げ観測を強めるきっかけになった。
Q. 月曜日に日経平均を押し上げた会社が、金曜日には押し下げの主役になった理由を、50字くらいで説明してみよう。
日経平均とTOPIXの差は"NT倍率"という1つの数字で測れます。今週その数字はどう動いた? グラフで確認しよう。
データとグラフで読む、いちばん深いフロアです
指数の構造 ── 値がさ株の急伸と急落が週の両端に現れた1週間
最終フロア。2本の指数を重ねて描き、乖離が生まれるしくみと、正解のない問いまで。学術・実務レベルの用語にはふりがなを付けています。
5日間の合計では日経平均-1.55%、TOPIX-1.83%と、今週はTOPIXのほうが大きく下げました。月曜は半導体の値がさ株の急伸で日経平均だけが大きく跳ね上がり、乖離は火曜にもっとも広がって約1.7ポイントに達しています。木曜にも半導体の買い戻しで日経平均がやや強含みましたが、金曜は同じ値がさ株が急落の主役となり、週末時点の差は縮小しました。
株価平均型(225銘柄)
構成銘柄の株価を(調整のうえ)平均する。1株の値段が高い「値がさ株」の影響が大きい。今週は月曜の急伸も木曜の反発も半導体の値がさ株が主役となり、金曜の急落でも同じ株が主役になったが、月・木の上げが下支えとなり週間の下げ幅はTOPIXより小さくとどまった。時価総額加重型(プライム全銘柄ベース)
会社の規模(時価総額)で重みづけして平均する。市場全体のお金の動きに近い。今週は火曜に74.5%、金曜に63%の銘柄が値下がりするなど、値がさ株だけでなく市場全体に売りが広がった日が多く、下げ幅は日経平均より大きくなった。プロは両指数を見比べて、動きが一部に偏っているのか市場全体に広がっているのかを診断する。今週はTOPIX(-1.83%)が日経平均(-1.55%)より弱く、値がさ株の急伸・急落だけでは説明しきれない、市場全体に広がった売りがあったことが、この差から読み取れる。
前回号(8/31〜9/4)の最終営業日の記事では、「9月11日(金)のメジャーSQに向けて先物・オプションの持ち高整理がどう影響するか、8月の米雇用統計を受けてFRBの利上げ観測がどちらに動くか、ソフトバンクグループなど値がさ株の勢いが続くか」を次号の答え合わせとしていました。結果は、11日のメジャーSQは特別清算指数が当日の安値をも下回る「幻のSQ」となり、持ち高整理をめぐる思わぬ大きな値動きが実際に出ました。FRBの利上げ観測は、8月の雇用統計の上振れ(月曜の記事)や8月卸売物価指数の加速(木曜〜金曜)を受けて、週を通じてじわじわ強まりました。値がさ株の勢いについては、月曜はソフトバンクグループ・アドバンテストが上げの主役として続きましたが、金曜には同じ顔ぶれが一転して下げの主役となり、「勢いが続く」という予想は前半のみ当たり、後半は逆に転じています。
Q1今週、日経平均は-1.55%、TOPIXは-1.83%だった。この差が生まれた理由を、「値がさ株」「時価総額加重型」という語を使って150字程度で説明せよ。
Q2月曜日に上げの主役だったソフトバンクグループやアドバンテストが、金曜日には逆に下げの主役になった。この明暗から、値がさ株の値動きについて何が言えるか、根拠とともに述べよ(正解はない)。
本紙の「因果の鎖」も理解のための整理であり、実際の相場は無数の要因が同時に働いた結果だ。今週の月曜の急伸から火曜の円高、水曜の資源高、木曜の反発、金曜の急落までを一本の筋で語ることはできても、そこには米マイクロンの増産検討・日銀の利上げ観測・中東情勢による原油高・メジャーSQ・米国の物価指標という需給要因が複雑に絡み合っており、事後にすらすべてを説明することはできない。「もっともらしい一つの物語」を疑う姿勢そのものが、市場リテラシーの核心である。
最深部まで読破!
今週きみが手に入れたもの:メジャーSQ/NT倍率/実質金利。
来週は15〜16日のFOMC結果と18日までの日銀会合(1.25%への利上げがあるか)、その発表を受けて金利敏感株(銀行・保険・建設など)がどう動くか、そして値がさ株がまた勢いを取り戻すかに注目。答え合わせは次号で。
上げ・下げ・停滞。
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